1. 職務経歴書とは?作成するメリットと提出時の注意点

 職務経歴書とはこれまでの業務内容や実績、スキル、経験などを詳細に記述した書類です。中途採用においては必要となるケースが多いでしょう。企業によってはフォーマットが指定されている場合もありますが、多くの場合は自由形式で作成します。

1.1 職務経歴書と履歴書の違い

 職務経歴書と履歴書はどちらも応募時に提出する重要な書類ですが、それぞれ目的や記載内容が異なります。履歴書は氏名、住所、学歴などの基本的な情報を簡潔にまとめたもので、いわばあなたのプロフィールです。

 一方、職務経歴書はこれまでの業務内容や実績、スキル、経験などを詳細に記述したもので、あなたの能力や適性をアピールするための書類といえるでしょう。

 履歴書があなたの概要を伝えるものであるのに対して、職務経歴書はあなたのキャリアを深く掘り下げて説明するものとなります。

履歴書と職務経歴書の違い
履歴書と職務経歴書の違い

1.2 職務経歴書で見られるポイント

 採用担当者は職務経歴書を通して、応募者が企業の求める人物像と合致するかどうかを判断します。具体的には以下のポイントに注目しています。

  • 業務内容と実績:どのような業務に携わって、どのような成果をあげたのか。具体的な数字や事例を用いながら説明されているか


  • スキルと経験:保有するスキルや経験は求める業務内容に合致しているか。また、それらをどのように活かせるのか。

  • キャリアプラン:今後のキャリアプランは企業のビジョンと合致しているか。企業に貢献できる人材であるか。

  • 人物像:文章表現や構成から論理的な思考力、表現力、コミュニケーション能力などを判断する。

1.3 転職時の職務経歴書作成における注意点

 転職活動において職務経歴書は選考結果を左右する重要な書類です。効果的な職務経歴書を作成するためには、以下の注意点に気を付けましょう。

  • 企業の求める人物像を理解する:求人票や企業のウェブサイトなどから企業の求める人物像を把握して、それに合わせて職務経歴書の内容を調整しましょう。

  • 実績を具体的に記述する:「売上を向上させた」、「業務を効率化した」といった抽象的な表現ではなく、具体的な数字や事例を用いることで説得力が増します。また、具体的なエピソードを交えることでよりアピールをすることが可能です。
  • 読みやすさに配慮する:簡潔で分かりやすい文章を心がけて誤字脱字がないか必ず確認しましょう。また、適切な改行や箇条書きを用いることで、読みやすくなります。書式やフォントも統一して見やすいレイアウトを心がけましょう。
  • 嘘や誇張は避ける:事実と異なる内容や誇張した表現は、後々トラブルの原因となる可能性があります。誠実な内容を心がけましょう。

2. 職務経歴書を作成する前に準備すべき3つのこと

 内容の良い職務経歴書を作成するためには事前の準備が重要です。ポイントを押さえて準備することで、採用担当者の印象に残るあなただけの職務経歴書を作成できます。

 具体的な準備として、以下の3つのステップを踏むことをおすすめします。

2.1 経歴の整理をする

 職務経歴書を作成する前に先ず自分の経歴を整理しましょう。これまでの職歴・業務内容、担当したプロジェクト、実績などを時系列で書き出し、どのようなスキルや経験を積み重ねてきたのかを明確にします。
 特に、数値で示せる成果や具体的な事例を整理しておくと、職務経歴書に説得力を持たせることができます。経歴の整理を丁寧に行うことで採用担当者に伝わりやすい職務経歴書を作成できるでしょう。

2.2 自分の強みを分析する

 職務経歴書で採用担当者の心を掴むためには自分の強みを明確にすることが重要です。

 また、業界や職種ごとに求められるスキルと自分の強みを照らし合わせることで、企業にアピールできるストロングポイントが見えてきます。

 さらに強みを裏付ける実績を数値や具体的なエピソードで示せると説得力が増します。しっかりと分析し、自分だけの強みを伝えましょう。

3.3 求人票を徹底的に分析する

 次に、応募する企業の求人票を徹底的に分析するのも重要です。求人票には企業が求める人物像や必要なスキル、経験などが詳細に記載されています。

 これらの情報をしっかりと理解することで、企業のニーズに合致した職務経歴書を作成することができるでしょう。

 企業のウェブサイトや会社案内なども併せて確認することで、企業の理念や文化、事業内容などを深く理解することが可能です。

 また、競合企業の求人票も分析することで業界全体の動向や求められるスキルを把握できますよ。

3. 職務経歴書の基本的な構成と書き方

 採用担当者は職務経歴書を通してあなたの能力や適性を見極めます。そのため、ただ単に職歴を羅列するだけでなく、採用担当者に響くような戦略的な職務経歴書を作成することが重要です。ここでは、職務経歴書の構成や書き方、そして作成する上で重要なポイントを解説します。

3.1 職務経歴書の3つの様式

 職務経歴書には主に3つの様式があります。自身のキャリアや応募する職種に合わせて最適な様式を選びましょう。

  • 編年体式
     編年体式は時系列に沿って職歴を記述していく形式です。第二新卒など職歴が短い方におすすめでしょう。これまでの経験を時系列で分かりやすく記載することができます。
     職務経歴全体の流れを把握しやすく、経験の積み重ねをアピールしやすい 点がメリットです。一方で、職歴が長い場合は冗長になりやすく、特定のスキルや経験を強調しにくいというデメリットもあります。

  • 逆編年体式
     
    逆編年体式は最新の職歴から順に記述していく形式です。中途採用で多く用いられる形式で、最近の経験やスキルを重点的にアピールしたい場合に適しています。採用担当者は直近の職務内容や実績に注目する傾向があるため、即戦力としてのアピールに効果的です。
     また、転職回数が多い場合でも、キャリアの軸がぶれていないことを示すことで、採用担当者に安心感を与えられます。

  • キャリア式
     キャリア式は職種やスキルごとに職歴をまとめて記述していく形式です。特定のスキルや経験を強調したい場合に有効でしょう。プロジェクト単位で職歴をまとめることで実績を明確に示すことができます。
     また、複数の職種を経験している場合でも、応募職種に関連する経験を効果的にアピールすることが可能です。ただし、時系列が分かりにくくなるため、時系列も併記するなどの工夫が必要でしょう。

3.2 職務経歴書に必ず記載すべき項目

 職務経歴書にはいくつかの必須項目があります。これらの項目は採用担当者があなたの経歴を理解するために必要な情報です。漏れなく記載しましょう。

  • 職務要約(キャリアサマリー)
     職務要約はあなたの経歴を簡潔にまとめたものです。採用担当者はまずこの部分を見て、あなたの経歴の概要を把握します。自己PRと混同されがちですが、職務要約はあくまで客観的な事実を記述する部分です。具体的な数字やキーワードを用いて、あなたの強みを効果的に伝えましょう。

  • 職務経歴
     職務経歴はあなたのこれまでの職務内容を具体的に記述する部分です。企業名、部署名、役職、業務内容、実績などを記載します。業務内容についてはただ単に業務内容を羅列するのではなく、具体的な行動や成果を記述することが重要です。

  • スキル
     あなたが保有しているスキルを記載する部分です。プログラミング言語、語学力など、業務に関連するスキルを具体的に記載しましょう。スキルレベルを客観的に示すためにスコアを併記すると効果的です。

     例えば、「TOEIC 800点」のように記述することで、あなたのスキルレベルを明確に示すことができます。

  • 保有資格
     保有資格はあなたが取得している資格を記載する部分です。業務に関連する資格だけでなく、自己啓発で取得した資格も記載することで、あなたの学習意欲や向上心をアピールできます。資格名は正式名称で記載して取得年月も併記しましょう

  • 自己PR
     自己PRはあなたの強みや個性、キャリアビジョンなどを自由に記述する部分です。職務経歴全体を通して一貫性を持たせて、あなたの熱意や人柄が伝わるように心がけましょう。

 応募企業の理念や求める人物像を踏まえて企業が求める人材であることをアピールすることが重要です。また、具体的なエピソードを交えて記述することで、より説得力のある自己PRにすることができます。

 自己PRとして3点話法を用いるやり方もあります。3点話法とは結論と関連する3つの根拠や理由を述べる話し方です。プレゼンテーションや会議など、ビジネスシーンでよく使われます。

 3点話法のメリットは「論理的な構成で相手を効率的に説得できる」、「聞き手が全体像をつかみやすい」、「根拠を3つに絞ることで印象に残る」ことです。
 上手く活用できると相手に印象良く強みを伝えることができるでしょう。

 また、強みを3つ記載し、それぞれ200字程度で記載する場合もあります。
 以下に「目標達成力」、「スケジュール管理力」、「周囲を巻き込む力」の3点で自己PRを200文字程度で記載します。

① 目標達成力
 年間売上目標達成に向けて月ごとの達成基準を細分化して、毎月の進捗を管理しました。特に売上が低迷していた第1四半期には新規顧客の開拓を優先して、訪問回数を2倍に増やしました。その結果、半年で目標売上を50%達成して、最終的には年間目標120%を達成しております。目標を明確に設定して逆算して行動することで成果を確実に上げました。

② スケジュール管理力
 複数のプロジェクトを同時に進行しながら、納期通りに成果を出すためにタスクの優先順位を明確にしました。明確にするために1週間単位で進捗をチェックする工夫を取り入れました。特に大型商談では商談準備、資料作成、顧客フォローアップのスケジュールを詳細に設定して、スムーズな進行を実現できました。結果として、商談成功率を80%に高めることができました。効率的なスケジュール管理で、業務の進行を確実にサポートしています。

③ 周囲を巻き込む力
 プロジェクトの遅れを挽回するためにチームメンバーと密に連携して、問題点の洗い出しと改善策を全員で共有しました。特に部署間の調整が必要な場合は短期的な進捗確認ミーティングを設けて、関係者全員の意見を取り入れながら解決策を導き出しました。結果として、プロジェクトは予定より1ヶ月早く完了して、納期通りの成果を達成しました。周囲を巻き込み、チーム全体で目標に向かって進むことが可能となりました。

3.3 職務経歴書を書く上でのポイント

 職務経歴書を作成する際には、以下のポイントに注意しましょう。これらのポイントを押さえることで、より効果的な職務経歴書を作成することができます。

  • 簡潔で読みやすい文章を心がける
     職務経歴書は採用担当者が短時間で内容を理解できるように、簡潔で読みやすい文章で書くことが重要です。一文を短くして箇条書きなどを活用しながら整理しましょう
     また、専門用語はできるだけ避けて分かりやすい表現で記述するように心がけるのが重要です。

  • 具体的な数字を用いて成果をアピールする
     職務経歴書では具体的な数字を用いて成果をアピールすることで説得力を増やせます。「売上を向上させた」と書くよりも、「売上を前年比120%に増加させた」と書く方が具体的な成果が伝わりやすいでしょう。
     数字を用いることであなたの貢献度を客観的に示すことができます。

  • 誤字脱字がないか必ず確認する
     誤字脱字はあなたの印象を悪くするだけでなく、仕事に対する姿勢も疑われかねません。提出前に必ず誤字脱字がないか確認しましょう
     また、PDF形式で保存することでレイアウトの崩れを防ぐことができます。

4. まとめ

 この記事では採用担当者の心を掴む職務経歴書の書き方について解説しました。

 職務経歴書は履歴書とは異なりこれまでの業務内容や実績、スキルを詳細に伝えるための重要な書類です。作成前に自己分析や求人票の分析を行って、自身の強みを把握し、企業の求める人物像とマッチングさせることが大切です。

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